偶然と、必然と、

「わたし」から宇宙へ、
宇宙から「わたし」へ

本展は、6つのテーマで構成されます。
それは「わたし」のこころから始まり、
行為、身体、環境、大宇宙、
時空を超えた記憶と、遠心的に広がり、
連結して共に動いています。

01 宇宙のこころ 内なる人格と仮面
内なる人格と仮面
人は、「わたし」に出会う時、「わたし」の姿をどのように捉えるのだろうか。 「わたし」の内側から感じる「わたし」もいれば、外側の社会を通して見る「わたし」もいる。 毎日の生活の中で、「わたし」が「わたし」を観察し、「わたし」の像を更新したり、「わたし」が「わたし」の欲望を満たしてくれる対象となったりする。 また、あらゆる人間になりすまし、「わたし」は何者なのかを考えてみたりする。「わたし」から始まる寓話や空想の世界は、その夢見る力により果てしなく自由な領域へと「わたし」を旅立たせてくれる。
【出展作家】
小幡 正雄 (日本)
桑原 敏郎 (日本)
ハラルト・シュトファース (ドイツ)
レオポルト・シュトローブル (オーストリア)
マリアン・へネル (ポーランド)
ヨーゼフ・ホーファー (オーストリア)
トマシュ・マフチンスキ (ポーランド)
与那覇 俊 (日本)
02 宇宙のうごき 行為からかたちへ
行為からかたちへ
貼る、重ねる、刺す、巻く、集める、書く、祈る。 ある物質との出会いや動作を繰り返すうちに、いつしかある瞬間に日常の一線を越える。 日常から創造の世界へ入る原初的な瞬間が訪れる。 行為は痕跡としてかたちになる。 ひとつまみの土が想像上の生き物の体の棘となったり、柔らかい紙が重い硬い大理石のようになる。 拾い集めた廃品が兵器となり、母の遺品の裁縫道具などが一つの塊となる。日常生活や従事する職業における必然的な行為や日課から、思いもよらないかたちの数々が出来上がる。
【出展作家】
金崎 将司 (日本)
カルロ・ケシシアン (イギリス)
澤田 真一 (日本)
武田 拓 (日本)
ローラ・デルヴォー (ベルギー)
エズキエル・メスー (ベナン)
マルク・モレ (スイス)
アンドレ・ロビヤール (フランス)
03 宇宙のからだ 身体生命の謎
身体生命の謎
人間や動植物をはじめとする地球上の生き物、身の回りのものはどのようにできているのか。 「わたし」に「わたし」の目の前にあるものがどのように見えるのかはじつに多種多様である。 形、色、大きさ、「わたし」にはこう見える。 または、はるか昔の生物や未だこの世に存在していない生物に思いを馳せる。 またすでに存在する動植物と人間を合体させたりして新たな生き物を作り出す。生き物の謎に迫る視線は「わたし」の数だけ存在する。
【出展作家】
ユリア・クラウゼ=ハーダー (ドイツ)
舛次 崇 (日本)
チャールズ・ステッフェン (アメリカ合衆国)
クルツィオ・ディ・ジョヴァンニ (イタリア)
中道 一輝 (日本)
ヘルムート・フラディッシュ (オーストリア)
ルボシュ・プルニー (チェコ)
ミスレイディス・フランシスカ・カスティージョ・ペドロソ (キューバ)
04 宇宙の種類 取り巻く環境からかたちへ
取り巻く環境からかたちへ
創作は、ある時代や社会、あるいは生活が持っている文化的な慣習、または環境と密接なつながりを持つ。近代西洋の実験による仮説を証明していくような科学的な考えが現れる、音波を描いた絵画や、東洋的な民間信仰のように苦しみを癒してくれる精霊たちを作り出す試みもある。 また、南米では、身の回りにある木の枝を様々な形や生物に見立てたり、日本では、アニメと小説を合体させたような創作が生みだされた。 アフリカでは、飛行場の音を聞きながら観光客向けのお土産を作っていたら、なんとか飛ぼうとする大きな飛行機ができてしまった。
【出展作家】
ヴェイオ (ブラジル)
ダウード・クーチャキ (イラン)
黒田 勝利 (日本)
エルク・タングテン (ベルギー)
ニ・ニョーマン・タンジュン (インドネシア)
モハメド・ババフム (モロッコ)
平野 智之 (日本)
ユリウス・ボッケルト (ドイツ)
イマニュエル・マペウ (ナミビア)
吉原 長次郎 (日本)
05 宇宙の成り立ち 共振するいのち
共振するいのち
わたしたちを取り巻く世界はどのように成り立っているのだろうか。 世界を俯瞰して上から見てみると、人間の暮らす街の様子が見える。 建物や商店が並び、交通網が張り巡らされている。 全てが理想の比率でできている世界を想像する人もいれば、微粒子や東洋的な「気」でできていると考える人もいる。 物質の問題だけではなく、私たちの生きる時間と空間の中で、あらゆる出来事によって世界は構成されている。 自然災害や、人間が作り出した集団の中での紛争や差別などの共存の難しさも世界を構成する要素と考える。世界に関する情報とそれを処理する記号の空間が創作となる。
【出展作家】
エンタン・ウィハルソ (インドネシア)
郭 鳳怡 (中国)
古久保 憲満 (日本)
フランツ・フォン・ザールフェルト (ドイツ)
ジョン・デブリン (カナダ)
マーティン・トンプソン (ニュージーランド)
ヨックム・ノードストロム (スウェーデン)
コスティア・ボトキン (ベルギー)
ジョージ・ワイドナー (アメリカ合衆国)
06 宇宙の記憶 時空を超えた記憶への旅
時空を超えた記憶への旅
かつて暮らした故郷の風景、苦い思い出の場所、家族に言われた言葉、大切な人と一緒に過ごした日々、何十万年もの宇宙の記憶を忘れまいとする記憶装置のような創作。「わたし」の人生に起こった個人的なこと、太古の昔に地球上で起こった出来事、または人類の歴史的な事実が混じり合って時空を超えて蘇る。 かつてのあれが現在のここに重ね合わさり、複雑に絡み合い交差しながら目の前に形として現れる。
【出展作家】
ワンダ・ヴィエーラ=シュミット (ドイツ)
メルヴィン・ウェイ (アメリカ合衆国)
上田 海登 (日本)
カルロス・ハビエル・ガルシア・ウエルゴ (キューバ)
杉浦 篤 (日本)
鶴川 弘二 (日本)
ジミー・ツトム・ミリキタニ (日本)

偶然と、必然と、

3331 Arts Chiyoda
ポコラート世界展
INFORMATION
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