作品部門
『ポコラート全国公募vol.4』「作品部門」では、画家・O JUN氏、東京国立近代美術館主任研究員・保坂健二朗氏、脳科学者・茂木健一郎氏を審査員として招き、3331統括ディレクター・中村政人とともに9月に審査を行いました。今回の審査では、従来の写真資料審査とともに初めて実物作品審査を行い、また全応募作品1,193点が並ぶ審査会場を一般公開し、来場者による投票も行いました。
それらの応募作品から、本展で展示される入選作は252点。作者の年齢は2歳から84歳、5cmあまりの小さな作品から10mにおよぶ大作までがアーツ千代田 3331に集結します。
隙間もなく鮮烈な色彩で埋めつくされたスケッチブック、日々ティッシュペーパーでこよりを作り続けアクリルボックスにためた作品、数mにおよぶロール紙にのびのびとダイナミックに描かれた絵画作品など、作家たちの自由で独創的なエネルギーに満ちあふれた作品がメインギャラリーを賑やかに彩ります。
審査員コメント
O JUN/画家、東京藝術大学准教授
ポコラート全国公募展は回を重ねる度に表現の新しい意味を生み出し、広げ始めていると思う。そのような意味において本展はこの国におけるアール・ブリュットのこれまでとこれからの連結点を担っておりその役割は大きい。展示空間の充実と更なる展開のために是非公立美術館の協力が必要な時期にもきている。
保坂健二朗/東京国立近代美術館主任学芸員
今回は大半が現物審査。しかも、ちゃんと壁に展示された。当然、審査はより楽しく、そして、より難しくなった。なぜか。「写真うつりが悪くって」という言い逃れが許されなくなったし、なによりも、実物の方がやっぱりよいからだ。書や刺繍の作品が少なくなった気もしたが、新たな出会いもあった。ポコラートは、確実に成長している。
茂木健一郎/脳科学者
脳にとって認識の手がかりはある程度必要だが、それが縛りになってしまうこともある。一つのアート作品に向き合うことは、結局、ひとりの人間と向き合うことと同じことである。そんな「原点」の広さと深さに還ることができた。いくつか、忘れられない作品があった。つまりそれは、その作者の人生そのものの感触だったのだろう。
中村政人/アーティスト、東京藝術大学准教授、アーツ千代田 3331統括ディレクター
「純粋な精神力×切実な表現力×逸脱した作品力」この3つの力を持っている人間力を私達はなんと呼ぶべきなのか?アーティストと言ってしまうには、どうもきれい事すぎる。667人1193点全ての応募作品の公開審査を経て、私達が生きていく態度には、アートという概念を超えた新しい価値感が必要とされていると切に感じた。
賞について
【審査員特別賞】各審査員が1作品を選出
【千代田区長賞】千代田区長が1作品を選出
【オーディエンス賞】来場者投票により1作品を選出・投票は12月20日(金)まで
賞は12月23日(月・祝)に、HPと会場内で発表いたします。
受賞者は、2014年度に行う受賞者作品展に出品していただきます。